02 December 2006

クラシコ

クラシコと言えば、スペインのクラシコを連想するかもしれないけれど、ポルトガルのクラシコは、いわゆる3強が対戦する試合を指しているようだ。つまり、ベンフィカ-スポルティング、スポルティング-ポルト、ポルト-ベンフィカの3試合だ。そして今日はその内の、ベンフィカ-スポルティングのクラシコだった。

今週に入って、ポルトガルのスポーツ新聞の一面はこの話題で持ちきりだった。史上初の3チーム出場で盛り上がるチャンピオンズ・リーグでのポルトガル勢の活躍を反映して、

「もう一度、スターを見に行こう」

という見出しも見られた。試合当日の今日の紙面には、「世界のダービー」と銘打って、ポルトガルと今でも密接な関係を持つ国・地域のベンフィキスタ、スポルティンギスタの写真が載った。とにかくポルトガルのメディアは盛り上がっていた。

それで今日は仕事の後、ゴンサロとカイス・ド・ソドレのブリティッシュ・バーで観戦した。僕はどちらのチームを応援しているというわけではなかったけれど、今、注目されている若手のポルトガル人選手をじっくり見てみようと思っていた。ユーロが2年後に控え、現在その予選が行われている欧州では、ワールドカップが終了したからといって、そうそうガラリとチーム構成を変えることはない。ポルトガルのようにベスト4という結果を残し、監督も続投する場合にはなおさらだ。でも、ワールドカップでのポルトガルの得点力不足、ストライカー不足は明らかだった。だから攻撃に関しては若い選手の台頭が必須となっている。

選手育成で定評のあるスポルティング(フィーゴもシマオンもクリスティアノ・ロナウドもスポルティング出身)では、若いポルトガル人選手が活躍し、チームを引っ張っている。U-21代表のジョアン・モウティーニョ、ナニ、ヤニック、遅咲きでA代表に入ったマルティンシュなど、有望選手目白押しなのだ。ジョアン・モウティーニョはその中でもすでに定評のある選手だが、最近売り出し中なのが、ナニ。でも、あまり彼のプレーを見たことがなかったので、今日はナニに注目していた。スポルティングでは右サイドハーフでプレーしているが、ある程度ボールキープをしながら、のらりくらりとドリブルで抜いていくのが特徴のようだ。でも正直言って、あまりキレがない。その上、ボールをキープしようとして奪われたり、簡単なパスミスがあったり、かなり安定感にかける。チャンピオンズ・リーグのインテル戦に続いて、彼の良さを見つけることはできなかった。

試合は、既に貫禄の漂い始めたシマオンのゴールなど、2得点したベンフィカがアウェイでスポルティングを破った。ゴンサロと観戦したベンフィカ戦で久しぶりにベンフィカが勝った試合でもあった。