21 October 2006

史上初の3チーム出場

チャンピオンズ・リーグというのは、サッカーファンに限らずともなかなか無視できない存在だ。というのも、チャンピオンズ・リーグの試合当日、街に異変が起きる。やたらイギリス人が多くなったり、ドイツ人が多くなったりするのだ。そしてあちこちのバーで昼間からサポーター達がビールを飲みながら騒ぎ始める。去年はロシオ広場がリバプールファンによって占拠された。そしてそのせいで交通渋滞も起きていた。もちろんそれはサッカーファンでない人にとっては迷惑なだけだが、何だか1日だけワールドカップがやってきたような雰囲気になる。それが毎年繰り広げられるヨーロッパはサッカーファンにとってはやはり魅力的な場所と言えるだろう。

今回、ポルトガルからはポルト、スポルティング、ベンフィカの3チームが出場しているのだが、実はこれ、チャンピオンズリーグ史上初らしい。リスボンからは2チーム出場になるが、同一都市から2チームはヨーロッパの中でも稀な事だ。つまり今回はチャンピオンズ・リーグの試合日には必ずリスボンで試合が行われ、外国からサポーターが来ている。

今週でグループ・リーグが一回りしたが、ポルトガル勢の調子は、良くも悪くもない、と言える。前節、セルティックに完敗したベンフィカは未だ勝ち点1で敗色濃厚だが、ポルト、スポルティングはそれぞれ勝ち点3の3位、勝ち点4の2位とグループリーグ突破の確率が五分五分だ。1チーム勝ち抜くのがポルトガルの平均的な成績で、3チーム突破は難しい状況だが、2チーム突破はまだまだありえる。

特にどのチームを応援しているわけではないが、このポルトガル勢という応援の仕方はどこか僕に甲子園の九州勢という枠組みを思い起こさせ懐かしい(福岡県内には九州・山口という括りが存在する)。福岡にいて、鳥取が勝っても何とも思わないが、なぜか距離的には遠い沖縄が勝つと喜ぶという不思議な枠組みだ。

ポルトガル勢には勝ってほしいが、中村俊輔がいるという理由で、やっぱり僕はベンフィカよりもグラスゴーのチームを応援したい。ワールドカップでみじめな思いをした分を、中村の活躍で晴らしたい、というのが僕の正直な気持ちだ。