サッカーが好きな割りには、一度もサッカー観戦についてこのブログに書いていない。フットサルをやったとか、ベンフィカ練習生の日本人に会ったとか、サッカーコーチの勉強をしている日本人に会ったとかいうことを書くことはあっても、「サッカー観戦」については一度も書いていない。
昨日はベンフィカ-バルセロナ戦だった。あのベンフィカがのらりくらりとチャンピオンズ・リーグを勝ち上がって、ついにはベスト8までたどりついている。昨日は準々決勝の第一戦。ベンフィカのホームで行われた試合を自宅のテレビで観戦した。リスボン在住のものとしてベンフィカを応援するが、正直言ってファンにはなれない。勝ってほしいがベンフィカ・ファン、ベンフィキスタにはならないだろう。とてもだが魅力的なサッカーをしているとは言えないし、強いチームだとも思わない。バルセロナと比べればその両方において雲泥の差である。それはリスボンの人も認めていて、新聞には、
「彼らも2本しか足がない」
なんて見出しが出ていたほどだ。
でも時々テレビやレストランで見ている内に、この選手はいい選手だな、思う選手も出てきた。中盤の運動量豊富なレオやフォワードのジオバンニがそうだ。2人ともブラジル人だが、彼らは黙々とクールにプレーする。2流、3流のブラジル人選手の多いポルトガルリーグにおいて(Jリーグにいるブラジル人選手の方が圧倒的にうまい)、彼らは地味だが安定感のあるプレーをする。時々トリッキーなプレーを見せて観客をほどほどに楽しませつつ、決定的な仕事もする。特に僕はレオのプレーが好きだ。中盤の選手だがチャンスがあれば小さな体でドリブルでボールを前に前に運んでいく姿勢がとてもいい。
それで昨日のバルセロナ戦だが、前半はとてもチャンピオンズ・リーグの試合とは思えないお粗末な内容だった。ベンフィカのGKが2度も決定的なミスを犯し、その2度の決定的なチャンスをバルセロナもシュートミスするという、、、。後半に入って両チームいい攻めを見せたものの、0-0で終了。2度も決定的なミスを犯したGKがその後のバルセロナの攻撃に対して好セーブを連発するという、まさにGKの一人芝居だった。
しかし、第2戦へも楽しみが残った。そもそもベンフィカはホームで空回りする傾向がある。追い込まれて開き直って力を発揮する、というのが今大会のベンフィカ。実は、アウェイの第1戦は引き分けでいい、という常識がベンフィカに勝つチャンスを与えている。リバプール戦もそうだったが、ベンフィカは第1戦をホームで迎えている。要は第1戦に大敗する可能性がないために、第2戦にかけることができている。内容はともかく、第1戦引き分けはベンフィカにとって十分満足できる結果だ。第2戦はリバプール戦のように守って守ってカウンターでゴールを狙うを徹底すれば勝つかもしれないが、それがリスボンっ子でもない僕をベンフィカ・ファンにさせることはやはりないだろう。