リベルダーデのプロジェクトが締め切り間近で、ここのところ帰宅時間は平均午前2時である。息抜きが昼食と夕食の時間くらいであるが、昼、夜とポルトガル料理は疲れるので、昨日、今日と昼食はトモコさんのところで日本食を食べる。以前は1週間か2週間に一度くらいのペースで食べに行っていたけれど、昨日までしばらくご無沙汰していた。そこで2日続けて食べに行ったものだから、トモコさんはちょっと驚いていた。今日は唐揚げ定食を食べた。
夕食は事務所近くのレストランで食べる。イカの詰め物を食べながら、たまたまテレビでやっていたコンフェデレーションズ・カップのスペイン-アメリカ戦を後半から観る。ユーロ以降、スペインの試合を見ていなかったけれど、相変わらずスペインの調子は良さそうだ。今日は30何試合ぶりかの敗戦だったようだけれど、勝負事はある程度確率に左右されるものなので、特にスペインの戦いぶりが悪いというわけではなかった。攻めるたびにゴールを奪いそうな迫力があった。だから、負けたけれどやはりスペインは強いなという印象を強く持った。
でもこうした息抜きだけではやはり完全にリフレッシュできるわけではなく、徐々に疲れが体に溜まっていくのが分かる。早くプロジェクトを終わらせて旅に出たい。疲れが体に溜まっていくのと同時に、そういう気持ちも膨らんでいく。そして、これまでの経験からすると、そういう状態のときこそ旅を満喫できるのである。どこをどういった手段で旅するのであれ、である。
25 June 2009
はやく、旅に出たい
13 June 2009
アルファマで、サント・アントニオ
隣の部屋には今、フレデリコの友人カリムが滞在している。リスボン最大のお祭りであるサント・アントニオに合わせて彼はスイスからやってきた。フレデリコは今回10名近くの友人をスイスから呼んでいて、あちこちの友人宅に分散して滞在させている。事務所随一のパーティ好きなだけあって、こういう時に友人達を楽しませるべく力を発揮するのが彼である。
祭が最高潮に達する金曜日、そのフレデリコや友人のカリム達、そして留学生とともにアルファマへ出かける。リスボンの町のあらゆるバイロでイワシやビファナを売る屋台が並び、ポルトガルのフォーク・ソングが大音量でかかり、人々はそれに合わせて踊りながら町を練り歩く。通りは屋台で埋め尽くされており、自分がどこにいるのかしばしば方向感覚を失ってしまう。ビールを飲み、サングリアを飲み、カイピリーニャを飲む。イワシを食べ、ビファナを食べ、チョリソを食べる。カップルが抱き合い、若者が喧嘩をし、この日だけ結成されたバンドが音楽を奏でる。その繰り返しであり、アルファマが他の地区と異なっているのは、一度そこへ足を踏み入れたらなかなか抜け出せなくなるほどに混雑しているということだ。
そしてこの日、タクシーをつかまえるのは至難の技である。アルファマから2つの丘を越えてようやく自宅にたどり着く。アルファマを一晩中練り歩いた足にはこれがかなり応えた。
11 June 2009
窮地に立ったポルトガル代表
日本がワールドカップ出場を決めた日、ポルトガルはアウェーでアルバニアと対戦。ここで負けたら終わり、と言われた格下相手の試合を辛くも2-1で勝つ。あわや引き分けかと思われる程に試合内容はひどかったが、終了間際にブルーノ・アルヴェスの意地のヘッドで競り勝ったことは、結果最優先の予選において非常に大きい。格下相手なのだから、得失点差を考えて4-0くらいで勝つべきだった、などということはもはや言うまい。この試合が終了した時点では、まだ30パーセントくらいはワールドカップ出場の見込みはあるだろうと思っていた。
日本がカタールに引き分けた日、ポルトガルはエストニア代表とタリンで強化試合を行った。仕事から帰って後半からテレビで観戦する。その試合を見て、僕はポルトガル代表が本当の意味で困難な状況にあるということを知る。カルロス・ケイロス監督は未だに6、7人も選手を入れ替えて新しい選手を試しているのである(アルバニア戦にボア・モルテが出場しているのを見たときには、笑うしかなかったよ、、、)。残りの4試合は、デンマーク(アウェイ)、ハンガリー(アウェイ)、ハンガリー(ホーム)と上位2チームとの直接対決が続く。デンマークには最悪でも引き分けて、ハンガリーに2連勝してようやく2位を確保できるという危機的な状況である。そういう状況にも関わらず、ケイロスは未だにチームのベースを作ることができていないことをこのエストニア戦で露呈していた。救世主を発見することよりも大事なテーマがエストニア戦にはあった(加えて、救世主となりそうな、期待の持てる選手も残念ながら現れなかった)。奮闘するラウール・メイレレス、ブルーノ・アルヴェスの姿が虚しく映る。想像以上にポルトガル代表の状況は深刻である。
03 June 2009
日本の現代建築展
今月、リスボンの建築家協会で「日本の現代建築展」が開催されている。10組の建築家の近作のパネル展示に加え、日本から藤本壮介さんやマウント・フジの原田さん、小嶋一浩さんなどのレクチャーも行われている。こういったレクチャーは最近、「忙しい」を理由に見逃していたけれど、今回は「忙しくとも行くべき」と思い直して、事務所を早めに切り上げて藤本さんのレクチャーを聞きに行く。
レクチャーはかなりの盛況で、会場には立ち見も出ている。僕も遅れて入ったので立ち見をする。スライドを見づらい位置だったが、作品は雑誌などで見たものばかりであったので、それほど問題ではなかった。簡潔なコンセプトからランダムに形成される建築をクライアントにいかにして説得するか、という話。ランダムに見えて、実はそのままランダムであるというのが藤本さんの建築の特徴であるように思う。ココとココのラインは合わせる、とか、このカベはこの点とこの点を結んで、とか、潔癖性とも言うべきポルトガル人の形態に対する美意識にどっぷりと浸かってしまっている自分にとっては、その点が非常に新鮮であった。日本とポルトガルの現代建築の類似性を指摘する声がこの日もあったが、一つの大きな違いは、ポルトガルの白いボリュームは、ある程度は建築工法上の必然である、という点である(マテリアルの制約によるもの、とも言える)。あの白いボリュームはモルタルで塗られたレンガの固まりなのである。